Narodowy Instytut Fryderyka Chopina
ショパン国際ピアノコンクールが本大会もうすぐですね。
もう、2番、3番煎じ以上ですが、日程、課題曲、審査方法など、気になることをまとめてみました。
日程
予備予選7/12〜7/24
1次予選 10/3(日)〜10/7(木)
2次予選 10/9(土)〜10/12(火)
3次予選 10/14(木)〜10/16(土)
本選 10/18(月)〜10/20(水)
入賞者披露演奏会 10/21(木)〜10/23(土)
先日の予備予選では、2021年は書類(有名な教授の推薦状と音楽歴)と音源審査に合格した153名が出場し、78名が通過しました。その中で日本人は13名通過し、14名が1次予選に出場します。
浜松国際ピアノコンクールなど、指定の国際コンクールで入賞すると、この予備予選を飛ばして1次予選から出場できます。
ショパン国際ピアノコンクールの大会で弾かれる課題曲は?
予備予選
- ノクターン(Op.9-3、Op.27-1、Op.27-2、Op.37-2、Op.48-1、Op.48-2、Op.55-2、Op.62-1、Op.62-2の中から)か、エチュード(Op.10-3、Op.10-6、Op.25-7)から1曲
- 指定のエチュード
A群(Op.10-1、Op.10-4、Op.10-5、Op.10-8、Op.10-12、Op.25-11)
B群(Op.10-2、Op.10-7、Op.10-10、Op.25-4、Op.25-5、Op.25-6、Op.25-10)
からそれぞれ1曲ずつ計2曲
- マズルカ(Op.17、Op.24、Op.30、Op.33、Op.41、Op.50、Op.56、Op.59)から1作品選び、その中から2曲
- バラード(1番Op.23、2番Op.38、3番Op.47、4番Op.52)、舟唄、幻想曲のどれか1曲
ひとつはノクターンなど、ゆっくりした曲から。エチュードOp.10-3は「別れの曲」ですね。ノクターンの中でも有名なOp.9-2(変ホ長調)はありません。
エチュードはある程度難易度の高い曲が指定されていて、その中から2曲選びます。
A群は、Op.10-1は右手のアルペジオが難しいです。アニメ「ピアノの森」のオープニングの曲でしたね。Op.10-4はテンポの速いエチュード。Op.10-5は「黒鍵」、Op.10-12は「革命」Op.25-11は「木枯らし」ですね。
B群のOp.10-2は、中指・薬指・小指の3本での半音階の高速スケール、エチュードの中でも最難関と言われています。25-6は3度和音の高速スケール、これも最難関と言われています。
バラード1番op.23は、フィギュアスケートでも使われた有名曲。
ちなみに私はこの中からなら、
エチュードOp.10-4、バラード1番くらいしかまともに弾いたことありません(汗)(パリ・エ○ール・ノ○○ル音楽院第6課程1年目修了)
予備予選でもリサイタル並みのプログラムですね
1次予選
1次予選には、80名が出場します。
- ノクターン(Op.9-3、Op.27-1、Op.27-2、Op.37-2、Op.48-1、Op.48-2、Op.55-2、Op.62-1、Op.62-2の中から)か、エチュード(Op.10-3、Op.10-6、Op.25-7)から1曲
- 指定のエチュード
A群(Op.10-1、Op.10-4、Op.10-5、Op.10-8、Op.10-12、Op.25-11)
B群(Op.10-2、Op.10-7、Op.10-10、Op.25-4、Op.25-5、Op.25-6、Op.25-10)
からそれぞれ1曲ずつ計2曲
(予備予選で弾いた曲とは別の曲)
- バラード(1番Op.23、2番Op.38、3番Op.47、4番Op.52)、スケルツォ(1番Op.20、2番Op.31、3番Op.39、4番Op.54)舟唄、幻想曲から1曲
エチュードは予備予選とは違う2曲を選択しなければいけないので、ショパンコンクールに出場するために用意するのは計4曲となります。
2次予選
40名が出場
- バラード(1番Op.23、2番Op.38、3番Op.47、4番Op.52)、スケルツォ(1番Op.20、2番Op.31、3番Op.39、4番Op.54)舟唄、幻想曲、幻想ポロネーズから1曲(1次予選とは違う曲)
- ワルツ(Op.18、Op.34-1、Op.34-3、Op.42、Op.64-3)から1曲
- ポロネーズ(アンダンテスピアナートと華麗なるポロネーズ、2つのポロネーズOp.26、Op.44、Op.53)のどれか1曲
- その他のショパンの曲
で30〜40分のプログラムを組む
2次予選でポロネーズやワルツを弾きます。
ポロネーズOp.53は有名な英雄ポロネーズですね。
3次予選
20名が出場
- ピアノソナタ2番、3番、24の前奏曲から1つ
- マズルカ(Op.17、Op.24、Op.30、Op.33、Op.41、Op.50、Op.56、Op.59)から1作品(3〜4曲)
- その他のショパンの曲
で45〜55分のプログラムを組む
このステージではソナタやマズルカなど、ショパン作品の要?である曲が中心です。
本選
10名が出場
ショパンのピアノ協奏曲第1番、第2番のどちらか
最終的に
1位〜6位までと、そのほかに、
マズルカ賞、ポロネーズ賞、ソナタ賞、コンチェルト賞
が決まります。
本選まで出場出来る人は本当に僅かですが、たくさんのショパンのレパートリーが必要ですね。
ショパンコンクールに出場できるのは30代までなので、20歳そこそこでこれだけのレパートリーを揃えるだけでも、私は気が遠くなっちゃう!
予備予選にでさえ、出場できるだけでも、子供の頃から大変な努力して、もちろん才能もあって、凄いなーと思います。
審査方法は?
審査方法をざっくりとまとめると、予備予選から1,2,3次予選までは、
- YESかNOか決める
- 1〜25点の点数をつけて、(YESには18点以上、NOには17点以下)平均点を出す
- YESの数が多い順番と、点数順に上位から決められる
なお、平均点は、一度審査員全員の平均点を出した後に、それを上下3点以上離れた点を除いて、2回目に平均点を出します。審査員が好きなコンテスタントにあまりに点数を高くつけたり、低くつけたりとは出来ないようになっています。
また、通過者が発表されるまでは、審査員はコンテスタントの名前は分からないよう、伏せられているようです。
ちなみに、審査員は自分の弟子が出場する場合、そのコンテスタントを審査することはできません。
本選は審査員が10名のコンテスタントに1〜10点の点数を付け、それまでの予選の点数を出した順のようです。
まとめ
もうまとめ尽くされているような気もしますが、音大ピアノ科出身なりに、ショパン国際ピアノコンクールの気になることや、曲の難易度などをまとめてみました。
ここまで読んでくださりありがとうございました♪
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