音大に行って、プロの演奏家になるのは難しい?
演奏家になれなかったら何になるのか?
毎年4000人近くいる音大卒業生の卒業後のリアルを、ご紹介します。
主な進路
- フリーランスの演奏家
- 大学講師
- 教師
- 音楽教室講師
- 一般企業に就職
- 大学院・留学
- その他(結婚・芸能界・行方不明?)
フリーランスの演奏家
ソリストとしてデビューはほぼできない
国内外の有名なコンクールで入賞して有名になって、音楽事務所に入って演奏家になる、というのがソリストの王道かもしれませんが、
多くは大学生になる前にデビューしていますね…
そして、国際コンクールで賞を取るために、日本の音大には行かずに海外のコンクールに強い音楽院に行ってしまうのも多い現実です。
プロオケに入る
弦楽器・管楽器・打楽器のみ
日本にはオケは33あって、専攻する楽器のパートに空きが出たら募集があります。
卒業生も応募するので、倍率は100倍近くになります。
優秀であれば大学生でも採用されるようです。
特に優秀な音大生が思い描く王道コースですが、芸大を卒業してもとても狭き門です。
自力で演奏活動する
自分で演奏の場を設けてチケットで稼ぐ、いわゆるライブ活動や、
ギャラを貰って演奏する機会を貰ったりします。
クラシックに限らずさまざまななジャンルでやっていく人もいます。
不景気+コロナ禍で大変難しいです。
演奏の実力はもちろん、ファンを作ったり、コネクションを作ったり、コミュ力が大事です。
演奏活動だけでなく、音楽教室の講師と兼業が多いです。
YouTuber
演奏の配信をして、積極的に宣伝をしてソロコンサートを開いたり、広告料を稼いだりしてある程度稼ぐ人も出てきています。
大学の講師
大卒ではなく院卒限定ですが、大学の講師も知っている限りいます。
音大、教育大、総合大学の幼児教育科のピアノ講師なども。
常勤なら一応食べていけるようですが、講師は非常勤や任期付きがほとんどで、任期修了したら就活になるのは大変そうです。
音大や教育大の准教授や教授になる道もあるものの、とても狭き門です。
教師
音楽教師
公立なら教員採用試験、私立なら各学校の公募で試験を受けます。
音楽教師は採用人数が少なく、何年か非常勤や臨時の教員をやりながら、正規採用を受けることも少なくありません。
小学校・特別支援学校の教師
音楽教師の採用が難しいので、非常勤などを何年かやりながら、小学校や特別支援学校の免許を通信などで取って教師になる人も結構います。
音楽教室講師
大手の音楽教室
ヤマハ、カワイ、島村楽器、山野楽器などがあります。
雇われているようですが、ほとんどが業務委託のフリーランスになるので(パートですらない)、保険や年金などは自分で払わなければならないので手取りが少ないです。インボイス制度でもっと少なくなるかもしれません。
自分で集客したり、場所を作る必要がないが、月謝の半分近くが教室の手数料になってしまいます。
食べていけるほど稼ぐのが非常に難しく、他にバイトやダブルワークをすることがほとんどです。
自宅で教室を開業
最近はネットで集客して、たくさんの生徒を集められるようになってきて、教えられる楽器によっては結構稼いでいる人もいます。
とはいえ、少子化と物価高で生徒を集めるのは大変になってきています。
それでも、月謝の手数料はなく、音楽教室の講師よりは割りが良く、自由にできると思います。
一般企業に就職
一般企業に就職するのは3割程度と、一般大学にくらべると少ないです。
それでも、昔に比べて就職に力を入れる音大も多く、情報も手に入りやすくなって、昔よりも就活しやすいと思います。
文系と同じく、事務や営業・接客が多く、たまにIT系も。
企業に就職して副業で教室や音楽活動をするのが1番良いんじゃないかな、と個人的には思いますが…
進学
音大では大学院や留学が、理系ほどではないものの多いです。
大学院卒業後・留学して帰国後は、今まで書いたとおりがほとんどです。
留学して現地でそのまま就職、結婚する人も。特にヨーロッパだと音楽学校が多く、フリーではなく雇われて音楽講師や伴奏ができて、日本よりも安定した生活できることもあります。
その他
凄く少数派ですけれど、芸能人や声優を目指したり、音楽とは違う方向で起業したり、卒業後即結婚したり…という人もいます。
まあ、何をしているか全く分からなかったり、突然SNSが消えて連絡が途絶える人も中にはいますが(!?)、それは音大に限らずいるんじゃないかと思います。
音大卒業後にみんなどのような仕事をしているか、知っている限りご紹介しました。
参考になれれば嬉しいです。
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