こんにちは。
音大生や音大卒業者、コンクールを受けている方で、海外の音楽学校に行っていた、そのような方に出会うことも少なくないかと思います。
そして海外の音楽学校って、難しそうとか、お金かかりそうとか、よく分からないイメージかもしれません。
そこで、フランスの音楽学校に少しだけではありますが行った私が、学校のレベルや学費、雰囲気などをご紹介します。
フランスの主な音楽学校には
どんな音楽院があるか、レベル・入学難易度をざっくりと紹介したいと思います。
- パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール・ Conservatoire National Supérieur de Musique et de Danse de Paris, CNSMDP)
- リヨン国立高等音楽院 (Conservatoire National Supérieur de Musique et de Danse de Lyon, CNSMDL)
- パリ地方音楽院 (Conservatoire à Rayonnement Régional de Paris, CRR de Paris)
- その他地方音楽院
- エコールノルマル音楽院
- スコラカントルム音楽院
- フランスの音楽院のレベルをランキングにすると
パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール・ Conservatoire National Supérieur de Musique et de Danse de Paris, CNSMDP)
世界3大音楽院の1つ、パリ国立高等音楽院(パリ音楽院・コンセルヴァトワール)は、フランス最難関の国立音楽院で、多くの有名音楽家が卒業しています。
トップクラスの国際コンクールに挑戦する方も多いです。
入学難易度は非常に高く、年齢制限もあり、語学の資格も必要です。
ピアノや弦楽器の場合、受験資格は21歳以下、日本の大学を卒業してから行くことはできません。
学士、修士、公的なフランス国家音楽家ディプロムを取得可能で、フランスで音楽の仕事をする場合、有利になります。
コンセルヴァトワールを卒業しても演奏のみで食べていくのは難しく、音楽院の講師に就職することが多いです。
国立なので、年間の学費は登録料の1000€くらい(14万くらい?)と安いです。
リヨン国立高等音楽院 (Conservatoire National Supérieur de Musique et de Danse de Lyon, CNSMDL)
フランスの地方にあるため、日本人は少ないですが、パリ国立高等音楽院の次にレベルが高い国立音楽院です。
パリ国立と同様、年齢制限あり、入学に語学資格も必要で、入学難易度は高いです。
パリ国立同様、学士、修士、公的なフランス国家音楽家ディプロムを取得可能で、フランスで音楽の仕事をする場合、有利になります。
卒業後は音楽院の講師に就職が多いようです。
国立なので、年間の学費は登録料の1000€くらい(14万くらい?)と安いです。
パリ地方音楽院 (Conservatoire à Rayonnement Régional de Paris, CRR de Paris)
パリ・リヨン国立高等音楽院に次に入学難易度が高い公立の音楽学校。
コンセルヴァトワールを受験するコースもあり、レベルは高く、多くの日本人が留学しています。
年齢制限があって、コースによっては大学卒業後に入学できないところもあります。
ここ数年は入学に語学資格もあるようです。
公的な学士に相当する資格を取るコースもあり、フランスの音楽院に就職するのに有利になります。
桐朋や東京音大の付属高校出身者が多かったです。
公立なので、年間の学費は1000€くらいです。
その他地方音楽院
リュエイュ・マルメゾン地方音楽院
ブローニュ・ビヤンクール地方音楽院
ニース地方音楽院
など。
フランスには、市や区ごとに公立の音楽院があります。たまに聞いたことがあるかもしれません。
入学難易度・年齢制限は音楽院やコース、専攻によって違いますが、パリ国立やパリ地方よりも入りやすいです。
ただ師事したい先生とコネクションを作るのが難しく、私立に比べて日本人や留学生は少ないです。
語学資格が必要ないことが多いですが、私の知っている限りでは、フランス語がある程度話せる方がほとんどでした。
エコールノルマル音楽院
私もこの学校に行っていました。
年齢制限がなく、大学を卒業してからでも、面接と実技の発表をすれば必ず入学できます。
大学卒業後に働いてお金を貯めたり、院や他のヨーロッパの音楽大学を卒業してから来る人も多いです。
面接時の実技のレベルで、入学するコースが決まります。
毎年5〜6月に、コースごとにディプロマ取得試験があって、合格するとそのコースを修了ということになります。試験に合格するのは決して簡単ではありません。
最高課程であるコンサーティスト課程は、年齢層は高いものの、パリ国立並にレベルの高い人もいました。
日本人の学生には、私立の音楽大学や教育大から東京藝大や京芸卒まで幅広くいました。少数ではありますが、音楽ではない学部を卒業し、社会人になってから通う方もいました。
私立なので、年間学費は3500€(40万前後)と国公立より高いですが、日本に比べると安いです。
スコラカントルム音楽院
エコールノルマル音楽院同様、私立の音楽院です。
年齢制限はなく、入学しやすいので、最近留学生人気が高まっています。
エコールノルマル音楽院同様、年度末にコースごとの試験があり、それに合格するのは簡単ではありません。
学費もエコールノルマル音楽院と同じくらいのようです。
フランスの音楽院のレベルをランキングにすると
あえてレベルのランキングを作るなら、
パリ国立>リヨン国立>パリ地方音楽院>その他地方音楽院
私立2校は学生のレベルの上下が大きいです。
フランスの音楽院のレベルはざっくりとこのような感じです。
今後、日本人に人気の音楽院について、詳細を書いていきたいと思います。
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