音大生やクラシック音楽やっていると1度は聞いたことがあるかもしれない。しかし、レベルをはじめ、その実態は良くわからないのではないでしょうか。。
そんな謎に包まれた?フランスパリの音楽学校に、実際に行ったことのある私がいろいろまとめてみました。
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どんな学校?
エコールノルマル音楽院は、ピアニストのアルフレッド・コルトーと仲間たちが1919年に設立したパリの音楽学校。Wikipediaのほうが詳しいです。
エコールノルマル音楽院の学費
年間3000€でしたが、今はもう少し値上げしているかもしれません。日本円にして40万円ほど。
フランスの国公立の音楽学校(1000€くらい)に比べれば高いですが、日本の国公立よりも安く、私立とは比べものにならないです。
入学難易度
基本誰でも入学可能です。
入学試験はありませんが、入学する際に、面接と、面接官の前で演奏することになり、そこでレベル別に学年(課程)が振り分けられます。
学年は年齢ではなく、演奏のレベルとおそらく経歴で決められます。
そして年度末にその課程の進級試験があります。
エコールノルマル音楽院のレベル
エコールノルマル音楽院には、初心者の子供から、一般音大生レベル、国際コンクールに入賞するレベルまで様々なレベルの学生がいます。
レベルは6段階+コンサーティスト過程
コンサーティスト過程の前は、各段階に上下2つクラスがあって、全部で12段階
第1課程の1年目
↓
第1課程の2年目
↓
……(略
↓
第5課程の1年目
↓
第5課程の2年目
↓
第6課程の1年目
↓
第6課程の2年目
↓
コンサーティスト過程
あくまでもピアノ専攻のレベルですが、
- 第4課程あたりまでは地元の子供の初心者(といっても音楽の道を目指す人が多い)
- 一般音大生レベルは第5課程、第6課程くらい
- コンサーティスト課程になると、ショパン国際ピアノコンクールや国際コンクール出場or入賞レベル
というイメージです。
日本の音楽高校や音楽大学を出た後に入学する場合、第5課程(1年目または2年目)か第6課程(1年目または2年目)が多いです。
いきなりコンサーティスト課程から入学はできません。最高でも第6課程の2年目からの入学になります。
ちなみにわたしは5-2から入学し、6-1のディプロムまで取りました。
卒業(修了)難易度
年度末にその課程の修了試験があって、その試験に合格したら○○課程修了、晴れて次の過程に進級というかたちになります。
○○課程修了証書みたいなものが貰えます(ディプロム)
不合格でも次の年に再チャレンジできます。
ディプロムを取る毎にレベルアップしていきます。自信があれば1つ飛ばしも可能。
日本人が多い第5課程、第6課程の合格者は毎年半分程度です。年によっては合格者がほとんどいないことも。
最高レベルのコンサーティスト課程はチート?
それまでの試験も合格者は毎年半分と、決して易しくはないので、コンサーティスト課程にいるだけでもじゅうぶんエリート集団です。
そしてコンサーティスト過程を修了、というか試験に合格するのは、国際コンクールと同じくらい難しいと思われます。
日本人は藝大出身や、国際コンクール入賞者が合格しているようです。
入学は誰でもできるけれど、最後まで修了するのは狭き門ですね。
就職できるか?
日本やフランスの音楽業界でやっていくには大卒や院卒と同等とみなされると思います。
エコールノルマル音楽院は大学ではないので、「大卒」の資格にはならないです。
一般的な就活ではおそらく大卒扱いにはならないので、日本で一般企業に就職するのは、おそらく日本の音大以上に厳しいのではと思います。日本で就職する気が少しでもあるなら、オススメできないです。
さいごに
ちょっと謎に包まれた音楽院ではありますが、実際に通ったことのある自分目線で書いてみました。
こんな音楽学校がありますよー、ってことで。
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